Japanese
English
第5土曜特集 マルチオミクスが解き明かす疾患の本質――統合的アプローチによる新たな知見
総論:マルチオミクス解析の基盤と技術
バイオバンクのゲノムデータを上手に活用するためには
How to effectively utilize genomic data from biobanks
河合 洋介
1
Yosuke KAWAI
1
1国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 ゲノム医科学プロジェクト
キーワード:
バイオバンク
,
全ゲノム解析
,
制限公開
,
非制限公開
Keyword:
バイオバンク
,
全ゲノム解析
,
制限公開
,
非制限公開
pp.737-741
発行日 2025年5月31日
Published Date 2025/5/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293090737
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
患者や健康な方々の試料および情報を提供するバイオバンクは,現代の医学研究において重要な役割を果たしている.ゲノム情報はさまざまな研究で活用されるため,近年ではバイオバンク自体がゲノム解析を行い,解析済みのゲノム情報を提供することが一般的になっている.しかし,ゲノムデータはサイズが大きいだけでなく,研究の目的に応じた多様な解析が求められるため,計算リソースの確保が課題となる.そのため,大規模なゲノムデータを提供するバイオバンクでは,計算環境を整備し,研究者がその環境にアクセスして解析を行うData Visiting方式を採用することが多い.一方で,バリアント頻度データやゲノムワイド関連解析(GWAS)の要約統計量などについては,インターネット経由で自由に利用できる非制限公開方式によるデータ提供も行われている.したがって,研究の目的に応じてバイオバンクが提供する情報リソースを適切に選択することが重要である.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.