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Seishin Igaku Volume 62, Issue 9 （September 2020）

精神医学 62巻9号（2020年9月発行）

Japanese English

特集周産期メンタルヘルスの今

東北メディカル・メガバンク事業出生コホートを起点とした産後うつ病研究 Postpartum Depression Research Starting from the Birth Cohort of the Tohoku Medical Megabank Project 菊地紗耶 ¹ , 小林奈津子 ^1,2 , 小野千晶 ³ , 割田紀子 ³ , 村上慶子 ^4,5 , 小原拓 ^4,5,6 , 長神風二 ⁴ , 栗山進一 ^4,5,7 , 富田博秋 ^1,3,4,7,8 Saya Kikuchi ¹ , Natsuko Kobayashi ^1,2 , Chiaki Ono ³ , Noriko Warita ³ , Keiko Murakami ^4,5 , Taku Obara ^4,5,6 , Fuji Nagami ⁴ , Shinichi Kuriyama ^4,5,7 , Hiroaki Tomita ^1,3,4,7,8 ¹東北大学病院精神科 ²東北大学大学院医学系研究科精神看護学分野 ³東北大学災害科学国際研究所災害精神医学分野 ⁴東北大学メディカル・メガバンク機構 ⁵東北大学大学院医学系研究科分子疫学分野 ⁶東北大学病院薬剤部 ⁷東北大学災害科学国際研究所 ⁸東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野 ¹Department of Psychiatry, Tohoku University Hospital, Sendai, Japan ²Department of Psychiatric Nursing, Tohoku University Graduate School of Medicine ³Department of Disaster Psychiatry, International Research Institute of Disaster Science, Tohoku University ⁴Tohoku Medical Megabank Organization, Tohoku University ⁵Department of Molecular Epidemiology, Graduate School of Medicine, Tohoku University ⁶Department of Pharmaceutical Sciences, Tohoku University Hospital ⁷International Research Institute of Disaster Science. Tohoku University ⁸Department of Psychiatry, Graduate School of Medicine, Tohoku University キーワード：東北メディカル・メガバンク機構 , Tohoku Medical Megabank Organization , コホート研究 , cohort study , バイオバンク , biobank , 個別化医療 , personalized medicine , 産後うつ病 , postpartum depression Keyword: 東北メディカル・メガバンク機構 , Tohoku Medical Megabank Organization , コホート研究 , cohort study , バイオバンク , biobank , 個別化医療 , personalized medicine , 産後うつ病 , postpartum depression pp.1245-1251

発行日 2020年9月15日 Published Date 2020/9/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206180

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抄録　出生コホート研究(birth cohort study)とは，出生前の胎内環境までを含めた曝露を検討した追跡調査のことを言い，胎内環境がどのように出生後長期にわたり健康に影響を与えているかを明らかにするための研究方法である。東北メディカル・メガバンク計画では，東日本大震災後の宮城・岩手両県の住民の長期健康支援と次世代型医療構築を目標とした本格的ゲノムコホート研究を実施している。1つは20歳以上の地域住民を対象とした地域住民コホート調査であり，もう1つは妊婦およびパートナー，それぞれの両親，そしてその子をリクルートする三世代コホートである。後者のアドオンコホートとして，産後うつの克服と妊娠・出産・育児に伴う心の健康向上を目指すことを目的としたスマイリー・マミー・プログラムを実施している。今後これらのコホート研究から新たな知見が蓄積され，各個人のゲノム情報が規定する個体差を考慮した上での個別化予防や個別化医療の開発が望まれる。