特集 副甲状腺─ 病態解明と治療法の進歩
7.CKD 患者における二次性副甲状腺機能亢進症の発症機序
濱野 高行
1
1大阪大学大学院医学系研究科腎疾患統合医療学
キーワード:
アルドステロン系
,
心不全
,
肥満
,
遷延性副甲状腺機能亢進症
Keyword:
アルドステロン系
,
心不全
,
肥満
,
遷延性副甲状腺機能亢進症
pp.297-304
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000073
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PTHを上げる古典的因子は三つに大別される.一つ目はP 負荷あるいは高P血症,二つ目の因子は低Ca 血症あるいはCa 摂取不足,三つ目は低25(OH)D または低1,25(OH)2D 血症である.保存期では,たとえば間質性腎炎において低1,25(OH)2D 血症とそれに伴う低Ca 血症によりPTH は高いことが多い.これらの古典的MBD 因子以外の因子にも最近注目が集まっている.肥満やアルドステロン系の亢進や心不全は重要なリスク因子であり,二次性副甲状腺機能亢進症の病態に拍車がかかっている可能性がある.長期透析患者ではおもにMBD 因子が長期に影響した結果,副甲状腺の自律的増殖が完成し,結節性副甲状腺腫大になると,これらの因子を補正するだけでは改善しない.また腎移植後は,びまん性過形成は改善しても結節性の部分は残存し,遷延性副甲状腺機能亢進症となる.
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