副甲状腺疾患とその病態
CKDの進展と二次性副甲状腺機能亢進症
駒場 大峰
1
1東海大学 医学部内科学系腎内分泌代謝内科
キーワード:
Calcitriol
,
過形成
,
副甲状腺機能亢進症-続発性
,
副甲状腺ホルモン
,
低カルシウム血症
,
リン
,
病勢悪化
,
高リン酸血症
,
慢性腎臓病
,
線維芽細胞増殖因子受容体-1
,
Klotho Protein
,
線維芽細胞増殖因子-23
,
病態生理
,
補償作用(生理学)
Keyword:
Calcitriol
,
Hyperparathyroidism, Secondary
,
Hypocalcemia
,
Hyperplasia
,
Parathyroid Hormone
,
Disease Progression
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Receptor, Fibroblast Growth Factor, Type 1
,
Hyperphosphatemia
,
Klotho Protein
,
Fibroblast Growth Factor 23
,
Phosphorus
pp.281-288
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2013377859
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二次性副甲状腺機能亢進症の発症には,1,25-dihydroxyvitamin D3[1,25(OH)2D3]濃度低下,高リン血症,低カルシウム血症が中心的な役割を担っているとされてきたが,これまで早期CKDにおける病態の本質は明らかでなかった.しかし近年,FGF-23に関する知見が契機となり,早期における病態が明らかになりつつある.CKD患者では高リン血症を防ぐため早期からFGF-23分泌が亢進しており,このため早期から1,25(OH)2D3濃度が低下し二次性副甲状腺機能亢進症の要因となると考えられている.一方,FGF-23は直接的にも副甲状腺に作用しPTH分泌を抑制するが,腎不全患者ではFGF受容体1-Klotho共受容体の発現低下のため,異常高値を示すFGF-23によってもPTH分泌は抑制されないと考えられている.今後,さらなる知見の集積により,二次性副甲状腺機能亢進症の病態理解が進歩することが期待される.
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