小児・妊婦・高齢者に対するIBD診療
小児炎症性腸疾患の疫学
石毛 崇
1
,
友政 剛
,
龍城 真衣子
,
羽鳥 麗子
,
荒川 浩一
1群馬大学 大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
Crohn病
,
炎症性腸疾患
,
大腸炎-潰瘍性
,
発生率
,
有病率
Keyword:
Crohn Disease
,
Colitis, Ulcerative
,
Inflammatory Bowel Diseases
,
Incidence
,
Prevalence
pp.113-118
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2017217810
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炎症性腸疾患(IBD)は小児期発症患者においては,遺伝的要因の関与が成人に比べ高いと考えられている.そのため,男女比・罹患範囲・重症度などに成人とは異なる特徴が存在する.本邦小児のクローン病男女比は成人に比べ女子がやや多い傾向を示しており,海外小児の男女比とほぼ同等となっている.罹患範囲においてはクローン病では小腸罹患・潰瘍性大腸炎では全大腸炎の頻度が高い.海外に比べ本邦クローン病患者では肛門病変の頻度が高い.6歳未満の若年発症者ではさらに臨床経過が異なることから,小児慢性特定疾患においては,若年発症IBDとして区別している.これらの臨床的特徴の差が治療反応性などにも影響する可能性があり,留意が必要である.
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