特集 小児の炎症性腸疾患
小児炎症性腸疾患の疫学
余田 篤
1
1大阪医科大学 小児科
キーワード:
Crohn病
,
大腸炎-潰瘍性
,
変異
,
有病率
,
発病年齢
,
地域差
Keyword:
Age of Onset
,
Colitis, Ulcerative
,
Crohn Disease
,
Prevalence
,
Mutation
pp.1167-1170
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020401107
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<Key Points>(1)わが国でも炎症性腸疾患(IBD)は近年、成人だけでなく小児科領域でも増加傾向である。したがって、あまり希少疾患と意識せず、実際には一般外来で遭遇する機会も増えてきている。したがって、消化器症状で来院した患児に、感染性腸炎と即断せず、病原微生物が同定できない例や、感染性腸炎に合わない所見などがある場合には、IBDも念頭におく必要がある。(2)病因に関しては環境因子と遺伝因子などがいわれているが、正確なことはまだ不明で、小児期発症IBDが増えていることも考慮すると、IBDの病因の解明に小児期発症IBDが寄与することが期待される。(3)超早期発症型IBDは、より難治性で重症のことが多く、通常の典型的な潰瘍性大腸炎やCrohn病と症状や所見が合わないときには、この超早期発症型IBDも考慮するべきである。
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