『早期大腸癌』からの20年、『INTESTINE』からの今後20年
[炎症分野]潰瘍性大腸炎診療の将来像
大塚 和朗
1
,
渡辺 守
1東京医科歯科大学 消化器内科
キーワード:
大腸炎-潰瘍性
,
大腸腫瘍
,
再生医学
,
腸内細菌叢
Keyword:
Gastrointestinal Microbiome
,
Colitis, Ulcerative
,
Colorectal Neoplasms
,
Regenerative Medicine
pp.81-85
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016150295
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潰瘍性大腸炎(UC)は,遺伝的素因に種々の環境因子が関与して腸内細菌に対する免疫異常が起こり,病像が形成されると考えられている.今後の課題として,病態に応じた新規治療薬の開発,予後や治療効果の予測ができるバイオマーカーの開発,腸内細菌叢制御による治療,背景粘膜の遺伝子異常検出による腫瘍高危険群の絞り込み,高齢患者や妊婦への対応,等がある.粘膜治癒が予後を改善することから,腸管バリア機能の回復が重要と考え,われわれは上皮幹細胞を用いた再生医療の確立をめざしている.また,厚生労働省班会議では,治療指針の改訂やアトラスの作成等を通じ情報の普及に努めている.UC診療のいっそうの進歩が必要であり,期待される.
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