下部消化管:炎症からの発癌
炎症発癌の基礎研究 炎症発癌の病理学的特徴 潰瘍性大腸炎に発生する大腸腫瘍を中心に
味岡 洋一
1
,
渡辺 佳緒里
,
谷 優佑
,
渡辺 玄
,
加藤 卓
1新潟大学 大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野
キーワード:
炎症
,
腫瘍侵入性
,
上皮内癌
,
腺癌
,
大腸炎-潰瘍性
,
大腸腫瘍
,
未分化癌
,
発癌
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma
,
Carcinoma in Situ
,
Colitis, Ulcerative
,
Inflammation
,
Neoplasm Invasiveness
,
Colorectal Neoplasms
,
Carcinogenesis
pp.336-341
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015374052
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潰瘍性大腸炎(UC)の炎症粘膜に発生したSM以深浸潤癌には,通常の大腸癌に比べ,未分化型腺癌の頻度が高い,分化型腺癌でも浸潤性発育を示すものが少なくない,という組織学的特徴があり,そのことが癌の肉眼形態にも反映されている.粘膜内腫瘍には,通常の大腸腫瘍と病理組織学的に同質のものと,通常の大腸ではみることがまれな特殊型(5パターン)とがあり,後者が炎症性発癌(およびその早期病変)と考えられる.特殊型は通常の大腸腫瘍に比べ特徴的な組織構築像と発育様式を示すものが多い.このことが,病理組織診断や内視鏡診断の困難さの要因になっていると考えられる.
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