小腸の炎症
その他の炎症性疾患 薬剤性腸傷害[NSAIDs(アスピリン)]
梅沢 翔太郎
1
,
遠藤 宏樹
,
酒井 英嗣
,
中島 淳
1横浜市立大学 医学部肝胆膵消化器病学
キーワード:
Aspirin
,
Lactobacillus casei
,
危険因子
,
腸粘膜
,
瘢痕
,
プロバイオティクス
,
Proton Pump Inhibitors
,
小腸疾患
,
カプセル内視鏡法
,
小腸潰瘍
,
びらん
Keyword:
Aspirin
,
Cicatrix
,
Lactobacillus casei
,
Intestinal Mucosa
,
Risk Factors
,
Probiotics
,
Capsule Endoscopy
,
Proton Pump Inhibitors
pp.181-185
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015186576
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非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は世界中でもっとも多く使われる薬剤の一つであるが,一方で上部消化管のみならず下部消化管出血も惹起することが報告されてきた.カプセル内視鏡やバルーン内視鏡などの小腸鏡の登場により,アスピリンをはじめとするNSAIDs起因性の小腸粘膜傷害の実態が明らかとなってきた.しかし,本疾患の報告はまだ限られており,解明は始まったばかりである.近年の基礎研究・臨床研究によりプロトンポンプ阻害薬(PPI)が本疾患のリスクを高める可能性があることが報告された.また,治療においてはプロバイオティクスをはじめとした薬物療法の開発が検討されている.さらに大規模な研究やランダム化比較試験(RCT)によって,高リスク群を明らかにして,積極的な介入による予防・治療法の確立が必要である.
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