特集 こんなにある薬剤性消化管傷害
胃 NSAIDsおよびLDA胃粘膜傷害
岩本 淳一
1
,
上田 元
,
門馬 匡邦
,
村上 昌
,
溝上 裕士
1東京医科大学茨城医療センター 消化器内科
キーワード:
Aspirin
,
胃潰瘍
,
胃鏡法
,
胃粘膜
,
消化性潰瘍出血
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
内視鏡的止血
,
リスク評価
,
Proton Pump Inhibitors
Keyword:
Aspirin
,
Gastric Mucosa
,
Gastroscopy
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Risk Assessment
,
Hemostasis, Endoscopic
,
Peptic Ulcer Hemorrhage
,
Stomach Ulcer
,
Proton Pump Inhibitors
pp.882-889
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019312030
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Helicobacter pylori除菌治療の普及に伴い消化性潰瘍数は減少傾向にあるが、消化管出血などで重篤化する症例は減少しておらず、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や低用量アスピリン(LDA)に起因する消化性潰瘍、消化管出血がその要因と思われる。NSAIDsやLDA起因性消化性潰瘍の特徴は不整形、多発傾向、前庭部や胃体部に好発することで、LDA潰瘍は小型のものが多い。NSAIDs、LDA起因性の消化性潰瘍は腹痛などの症状が出にくく、消化管出血を契機に診断される症例が多い。また、出血に対する内視鏡止血が困難で、LDA服用中は出血時のLDA休薬リスクが高いので注意を要する。NSAIDs、LDA起因性の消化性潰瘍の二次予防と治療に関しては、プロトンポンプ阻害薬(PPI)が有効である。近年PPI予防中の潰瘍出血も認められ、ボノプラザンによる今後の潰瘍予防データの蓄積が期待される。
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