大腸内視鏡治療と抗血栓薬-新ガイドラインの妥当性
ガイドライン改訂後の現状 脳血管疾患専門医の本音
矢坂 正弘
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1国立病院機構九州医療センター 脳血管センター・臨床研究センター脳血管・神経内科
キーワード:
Heparin
,
Warfarin
,
大腸内視鏡法
,
MRI
,
心房細動
,
脳梗塞
,
診療ガイドライン
,
脳塞栓症
Keyword:
Atrial Fibrillation
,
Colonoscopy
,
Heparin
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Warfarin
,
Practice Guidelines as Topic
,
Brain Infarction
,
Intracranial Embolism
pp.453-459
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015022217
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抗血栓薬を観血的手技時に中止すると血栓症や塞栓症のリスクが高まり,継続すると出血性合併症のリスクが上昇するので,観血的手技時の抗血栓薬管理は医療現場で問題となっている.抗凝固療法を中断すると約1%の頻度で脳梗塞を発症し,その多くは重篤で転帰不良である.改訂された日本消化器内視鏡学会のガイドラインによると,出血性合併症と血栓・塞栓症の両方を避ける立場を重視し,欧米のガイドラインに近い内容に変更された.内視鏡検査や治療の侵襲度に合わせて,抗血栓薬の種類ごとに継続,中止,ヘパリンによる抗血栓薬の橋渡し療法の可否が記され,脳卒中診療医師の見地からも臨床現場での有益な指針になることが期待される.
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