発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006186472
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近年,増加傾向のある心原性脳塞栓症は,閉塞性脳血管障害の中でも重篤な症例が多く,高頻度に意識障害を呈する.塞栓源となりうる心疾患をもつ患者,あるいは卵円孔開存患者で,突発発症の意識障害を呈する場合は,本症を疑う.CT・MRIで皮質枝領域に病巣が存在することが多く,時間が経過した例では出血性梗塞がみられる頻度が高い.発症3時間以内の非重篤例にはt-PA静注療法が推奨されるが,t-PAは出血性合併症を生じやすいので,症例の選定は慎重に行う.とくに非弁膜症性心房細動(NVAF)を伴う症例の再発予防には,抗血小板薬よりも抗凝固薬(warfarin)が推奨される
©Nankodo Co., Ltd., 2006