発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2013119667
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透析患者の血管石灰化は生命予後の不良因子であり,リンやカルシウムやPTHをコントロールすることで,血管石灰化の進行抑制を介して透析患者の死亡率を減少させるとされている.しかし,従来の治療方法では,透析患者の血管石灰化を抑制することは困難である.透析患者の骨密度も,従来の治療法では低下を防ぐことは困難である.そこで従来治療に抵抗性の透析患者の二次性副甲状腺機能亢進症に対して,シナカルセト塩酸塩と炭酸ランタンを長期使用し,検査データと血管の石灰化と骨密度の推移を検討した.検査データではガイドラインの達成率の向上を認めた.血管の石灰化の進行は3年目に有意な抑制を認めた.骨密度は変化を認めなかった.以上の結果はシナカルセト塩酸塩と炭酸ランタンの相乗的な作用と考えられた.血管の石灰化の進行抑制ができる可能性を示唆する内容であり,今後予後改善につながるかを検討していく必要がある.
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