維持透析患者の消化管疾患-症状からみた傾向と対策
薬剤性胃腸障害とその対策 NSAIDs、セベラマー、シナカルセト、炭酸ランタン
根木 茂雄
1
,
美馬 亨
,
重松 隆
1和歌山県立医科大学 腎臓内科学講座
キーワード:
胃腸疾患
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
Sevelamer
,
Cinacalcet
,
Lanthanum Carbonate
Keyword:
Cinacalcet Hydrochloride
,
Sevelamer
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Gastrointestinal Diseases
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Lanthanum Carbonate
pp.175-180
発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013135074
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透析患者は多くの合併症を抱えており,多くの薬剤を服用している場合が少なくない.したがって,薬剤による副作用,とくに胃腸障害が発症するリスクが高い.関節痛や腰痛に対して,非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)や低用量のアスピリンを内服していることが多く,NSAIDsやアスピリンによる潰瘍が発症しやすく,透析患者の出血傾向と相まって,消化管出血の原因となりやすい.そのほかにはセベラマー塩酸塩,炭酸ランタンといったリン吸着薬,シナカルセト塩酸塩が透析患者に投与される薬剤のなかで便秘や鼓腸などの胃腸障害を生じやすい代表である.イレウスや腸管穿孔といった重篤な合併症が生じることもある.
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