リンの栄養学
循環器とリン・FGF23 心肥大と動脈硬化
倉林 正彦
1
1群馬大学 大学院医学系研究科臓器病態内科学
キーワード:
Calcitriol
,
遺伝子発現調節
,
死亡率
,
心拡大
,
動脈硬化症
,
リン
,
慢性腎臓病
,
中和抗体
,
血管石灰化
,
線維芽細胞増殖因子-23
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Calcitriol
,
Gene Expression Regulation
,
Cardiomegaly
,
Mortality
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Vascular Calcification
,
Antibodies, Neutralizing
,
Fibroblast Growth Factor 23
,
Phosphorus
pp.65-72
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2013119666
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血清リン(P)値は,慢性腎臓病患者だけでなく,冠動脈疾患患者や,一般住民で血清P濃度が正常範囲内であっても,心血管イベントと関連することが報告されている.そのメカニズムとしてビタミンDの低下やPTHの増加だけでなく,Pの負荷に反応して,骨細胞から分泌されるFGF23の役割が注目されている.FGF23は,腎尿細管において,FGF受容体(FGFR1c)とKlothoとの共受容体に結合し,ナトリウム(Na)・P共輸送体(NaPi2a)の発現を抑制し,尿中へのPの排泄を促進するホルモンである.最近,FGF23がKlotho非依存的に心肥大を起こすことが報告された.一方,血管石灰化に対する作用については議論があり,今後の重要な研究課題である.
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