骨と多臓器連関
骨と心臓・血管疾患
倉林 正彦
1
1群馬大学 大学院医学系研究科臓器病態内科学
キーワード:
骨芽細胞
,
骨粗鬆症
,
死亡率
,
心臓血管疾患
,
心拡大
,
破骨細胞
,
骨
,
破骨細胞形成抑制因子
,
破骨細胞分化因子
,
Receptor Activator of Nuclear Factor-Kappa B
,
血管石灰化
,
線維芽細胞増殖因子-23
Keyword:
Bone and Bones
,
Cardiovascular Diseases
,
Cardiomegaly
,
Osteoporosis
,
Osteoclasts
,
Mortality
,
Osteoblasts
,
RANK Ligand
,
Receptor Activator of Nuclear Factor-kappa B
,
Osteoprotegerin
,
Vascular Calcification
,
Fibroblast Growth Factor 23
pp.99-105
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2014192913
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骨と心臓・血管疾患との間には密接な関係がある.この関係は,骨と同様に,血管壁でも骨芽細胞様の細胞によるミネラルの蓄積と破骨細胞様の細胞による吸収のバランスが恒常性に重要であることを示している.TNFαファミリーに属する三つの因子RANK(receptor activator of nuclear factor-κB),RANKリガンド(RANKL),およびオステオプロテジェリン(OPG)は,骨と免疫系の調節因子として研究が進んできたが,骨粗鬆症と血管石灰化を結ぶ役割も注目されつつある.また,骨細胞が産生するリン尿中排泄因子としてFGF23(fibroblast growth factor 23)は腎機能低下患者の独立した生命予後予測因子であることが明らかにされている.心肥大と血管石灰化におけるFGF23の役割,骨粗鬆症と血管石灰化との関連を概説した.未だ,不明なことが多く,今後の展開が楽しみである.
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