いま知っておきたい! 内科最新トピックス (第11章)腎・尿路系
慢性腎臓病患者におけるリンの意義を考える
濱野 直人
1
,
深川 雅史
1東海大学 医学部内科学系腎内分泌代謝内科
キーワード:
生物学的マーカー
,
ホメオスタシス
,
リスク
,
リン
,
アポトーシス
,
慢性腎臓病
,
血管石灰化
,
線維芽細胞増殖因子-23
,
病態生理
Keyword:
Homeostasis
,
Risk
,
Phosphorus
,
Biomarkers
,
Apoptosis
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Vascular Calcification
,
Fibroblast Growth Factor 23
pp.1217-1221
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044871
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生物は進化とともにリン(P)摂取量が増加し,それに適応するように骨,腎,副甲状腺などの代償機構を発達させた.P利尿ホルモンとして線維芽細胞増殖因子23(FGF-23)が同定され,腎障害が軽度の段階でP負荷を知ることが可能となった.しかし人類のP摂取量は代償できる範囲を超えるようになり,心血管イベントが増加して生命予後悪化をもたらした.P摂取制限がもっとも望まれる治療であるが,現代の食事ではそれをかなえることは難しく,P吸着薬で間接的に制限を試みており,生命予後が改善する可能性についてエビデンスが集積しつつある.加えて生命予後改善のために骨回転,腎機能などを含めて全身の臓器を管理する必要がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2015