骨と多臓器連関
骨と腎
高橋 浩雄
1
,
角田 隆俊
,
深川 雅史
1東海大学 医学部腎内分泌代謝内科
キーワード:
Calcitriol
,
Calcium
,
血液透析
,
骨疾患-代謝性
,
骨密度
,
副甲状腺ホルモン
,
腎臓
,
骨
,
リン
,
慢性腎臓病
,
Klotho Protein
,
骨質
,
線維芽細胞増殖因子-23
Keyword:
Bone and Bones
,
Bone Diseases, Metabolic
,
Calcitriol
,
Kidney
,
Renal Dialysis
,
Parathyroid Hormone
,
Bone Density
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Klotho Protein
,
Fibroblast Growth Factor 23
,
Calcium
,
Phosphorus
pp.147-156
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2014192919
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腎臓はCaやPを尿中に排泄する一方,活性型ビタミンDの産生臓器として,腸管でのCa吸収や骨代謝の維持にも関与している.このため,慢性腎臓病(CKD)患者では,1,25(OH)2D低下やP蓄積に加え骨病変,ミネラル代謝異常が出現する.この病態はおもに骨病変に着目され,腎性骨異栄養症として認識されてきた.CKDの血管石灰化はCa,Pの過飽和に伴い石灰沈着が血管壁に析出することがおもな要因と考えられていた.近年,複数の観察研究により,この病態が血管石灰化を介して死亡リスクの増大に関与していることが示された.データの蓄積を背景に「慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)」という全身性疾患としての概念を創出し,管理も生命予後をアウトカムとして行われるようになった.CKD-MBDとは(1)Ca,P,PTHなどの検査値異常,(2)骨の異常,(3)血管石灰化の三つの異常で構成される.
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