胆管結石の治療
EPLBD(内視鏡的乳頭大口径バルーン拡張術)による胆管結石の治療
木田 光広
1
,
川口 祐介
,
長谷川 力也
,
宮田 英治
,
金子 亨
,
山内 浩史
,
奥脇 興介
,
岩井 知久
,
今泉 弘
1北里大学 医学部消化器内科
キーワード:
砕石術
,
再発
,
術後合併症
,
治療成績
,
内視鏡的括約筋切開術
,
禁忌(治療)
,
内視鏡的乳頭バルーン拡張術
,
胆石
Keyword:
Lithotripsy
,
Recurrence
,
Postoperative Complications
,
Sphincterotomy, Endoscopic
,
Treatment Outcome
,
Gallstones
pp.41-48
発行日 2016年12月20日
Published Date 2016/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017129539
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2003年,Ersozらにより初めて報告されたEPLBDは,カニュレーション後12-20mmのバルーンで乳頭部を30秒間ほど拡張して胆管胆石等の治療を行う方法である.その適応は,10mm以上の胆管結石とするのが一般的である.禁忌は,出血傾向を有する症例,下部胆管の狭窄例などである.30文献におけるEPLBDの成績は,初回の完全採石成功率は84.0%であり,全体の採石成功率は96.5%であった.平均内視鏡治療施行回数は1.20回で,機械式砕石術を要したのは14.1%であった.偶発症は,全体で8.3%にみられ,膵炎2.4%,出血3.6%,穿孔0.6%,その他0.2%であり,死亡率は0.2%であった.ESTとEPLBDの比較では,採石成功率,偶発症はほぼ同等であるが,EPLBDのほうが10-15mm以上の結石の治療においては優れていると報告されている.小~中切開のESTを付加するEPLBDと付加しないEPLBDの成績は同等であり,近年は付加しないEPLBDの成績が数多く報告されている.
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