胆膵疾患診療の最前線 難治疾患のよりよいマネジメントのために
「胆石」診療の最前線
伊藤 啓
1
,
藤田 直孝
,
野田 裕
,
小林 剛
,
洞口 淳
1仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科
キーワード:
肝切除
,
肝内胆管
,
胆管炎
,
胆管癌
,
胆管腫瘍
,
胆嚢炎
,
腹腔鏡下胆嚢摘出術
,
超音波内視鏡検査
,
内視鏡的括約筋切開術
,
肝内結石症
,
胆道ドレナージ
,
内視鏡的乳頭バルーン拡張術
,
胆石
,
胆嚢結石症
Keyword:
Cholangitis
,
Cholecystitis
,
Bile Duct Neoplasms
,
Bile Ducts, Intrahepatic
,
Hepatectomy
,
Sphincterotomy, Endoscopic
,
Cholecystectomy, Laparoscopic
,
Cholangiocarcinoma
,
Endosonography
,
Cholecystolithiasis
,
Gallstones
pp.383-390
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011130040
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●胆石には胆嚢結石、胆管結石、肝内結石があり、それぞれ治療方針が異なることから臨床上区別して取り扱う必要がある。●胆嚢結石の無症状例では経過観察が可能である。●急性胆嚢炎を含め有症状の胆嚢結石では胆嚢摘出術が推奨され、腹腔鏡下胆嚢摘出術が広く行われている。●胆嚢結石例では、まれに胆嚢癌の合併がみられるため注意が必要である。●胆管結石では、経乳頭的な内視鏡治療が多くの施設で実施されている。●胆管結石治療後の有石胆嚢は、放置すると胆道系の合併症を発症する可能性が高いことから摘出が勧められている。●胆嚢結石を合併した胆管結石では、腹腔鏡下または開腹下に一期的に外科治療を実施する施設もある。●肝内結石では胆管狭窄を伴うことが多いが、手技の進歩に伴い経乳頭的な内視鏡治療が可能な症例も報告されている。●肝内結石には肝内胆管癌の合併率が高いことから、十分な精査が求められる。●悪性腫瘍の合併が否定できない例や肝葉の萎縮を伴う例では外科的治療を検討する。
©Nankodo Co., Ltd., 2011