発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011135153
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87歳女性。患者は右甲状腺乳頭癌に対する甲状腺全摘出術20年後に食欲不振、全身倦怠感が出現し、精査加療目的で著者らの施設へ入院となった。所見では血液検査で好酸球増多を伴う白血球上昇、軽度の炎症反応が認められたが、甲状腺機能は正常であった。補液および抗菌薬投与にて一時的に症状や食事摂取量の改善が得られたが、誤嚥を契機に急速な呼吸状態の悪化を認め、あわせて白血球増多も進行し、患者は第34病日目に死亡となった。剖検を行なったところ、甲状腺乳頭癌未分化管転化と診断されたが、本症例では剖検で骨髄に異常はみられず、血中GM-CSF高値と免疫染色の結果より、乳頭癌のGM-CSF産生による白血球および好酸球増多症が考えられた。
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