いわゆる"早期の膵癌"-その発生機序と診断
膵癌診断のStrategy
木田 光広
1
,
松本 高明
,
宮田 英治
,
金子 亨
,
山内 浩史
,
奥脇 興介
,
岩井 知久
,
今泉 弘
1北里大学 医学部消化器内科
キーワード:
危険因子
,
MRI
,
腫瘍症候群-遺伝性
,
腫瘍マーカー
,
膵臓腫瘍
,
CA-19-9抗原
,
アルゴリズム
,
超音波内視鏡検査
,
腫瘍の早期診断
,
DUPAN-2抗原
,
SPan-1抗原
,
腹部CT
Keyword:
Algorithms
,
Neoplastic Syndromes, Hereditary
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pancreatic Neoplasms
,
Risk Factors
,
Biomarkers, Tumor
,
CA-19-9 Antigen
,
Endosonography
,
Early Detection of Cancer
,
DU-PAN-2 Antigen, Human
,
Pancreatic Associated Antigen, SPan-1
pp.1687-1693
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017095240
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
膵癌の5年生存率は約7%と低く,死亡率が罹患率に近く,がん死亡の第4位にまで上昇してきており,膵癌の根治のためには,いわゆる"早期膵癌"の診断が臨床的急務である.このためには,膵癌の家族歴,遺伝性膵癌症候群などの患者,糖尿病,慢性膵炎,遺伝性膵炎,IPMN,膵嚢胞,肥満などの合併症を有する患者,喫煙,大量飲酒のある患者などのリスクファクターのある患者を定期的に経過観察,検討することが大切である.これらに加えて上腹部痛,USで主膵管拡張,膵嚢胞を認める患者には,EUS,CT,MRIなどの次の段階の精査を積極的に行うべきである.病理学的診断が望ましいが,ERCPでは急性膵炎,重症膵炎のリスクが,EUS-FNAではまれではあるが播種の可能性があり,これらを認識しながら,どこまで行うかは患者への説明後,承諾を得てから決めるべきである.
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.