大腸LST(側方発育型腫瘍)の新展開
発生部位別に見たLSTの特徴
千野 晶子
1
,
森重 健二郎
,
石川 寛高
,
岸原 輝仁
,
為我井 芳朗
,
五十嵐 正広
1がん研究会有明病院 消化器内科・内視鏡診療部
キーワード:
大腸内視鏡法
,
結腸腫瘍
,
生検
,
直腸腫瘍
,
検査予測値
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
腫瘍悪性度
,
側方発育腫瘍
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Biopsy
,
Colonic Neoplasms
,
Colonoscopy
,
Predictive Value of Tests
,
Rectal Neoplasms
,
Neoplasm Grading
pp.1155-1162
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015338891
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早期大腸癌の治療方針には部位別の検討が必要であり,下部直腸においては,機能温存の点からも完治可能な病変に対する内視鏡的摘除は低侵襲治療であり意義が高い.当院のLST 848病変を直腸142病変,結腸706病変に分け両群の部位別特徴について検討した.直腸は30mm以上の大きなLST-G(M)を高頻度に認め,腫瘍径に相関して担癌率とSM癌率は高い.直腸のLST-NGは20mm未満でも担癌率59%と高率で,腫瘍径にかかわらずT1bまたは脈管侵襲陽性の頻度が高い.内視鏡診断正診率は結腸95%,直腸89%であった.直腸には診断的治療目的も含め,内視鏡治療が優先される病変が多いが,正確な深達度や脈管侵襲の評価は予後に重要な因子であり,一括切除(ESD)が重要である.
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