大腸LST(側方発育型腫瘍)の新展開
LSTの拡大所見と発育進展
松下 弘雄
1
,
山野 泰穂
,
吉川 健二郎
,
原田 英嗣
,
田中 義人
,
中岡 宙子
,
吉田 優子
1秋田赤十字病院 消化器病センター
キーワード:
大腸内視鏡法
,
腫瘍進行度
,
側方発育腫瘍
Keyword:
Colonoscopy
,
Neoplasm Staging
pp.1163-1173
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015338892
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
側方発育型腫瘍(LST)は,側方に発育する傾向を示す腫瘍性病変に対する総称である.形態的特徴により顆粒型と非顆粒型に大別され,さらに顆粒型をLST-G(H),LST-G(M),非顆粒型をLST-NG(F),LST-NG(PD)に亜分類される.各亜分類のpit patternは,LST-G(H)群はIVB型,IIIL-1型が多く,LST-G(M)群はIVB型,IVV型,VI型が多い.LST-NG(F)群はIIIL-2型,IIIL-1型を多く認め,LST-NG(PD)群は大部分がIIIL型で構成され,辺縁部はIIIL-2型,偽陥凹部はIIIL-1型,VI型が多い.LSTはそれぞれ癌を認める割合も異なり,腫瘍として特性が異なると考える.LST-G(M)群は大結節部が,LST-NG(PD)群は偽陥凹部において周囲よりも異型度が高く,また癌化も認める.LSTの発育進展については不明な部分も多いが,臨床の場では亜分類ごとの特性を踏まえて,個々の病変に応じた診断・治療をすることが重要である.
![](/cover/first?img=J01937.2015338892.png)
Copyright © 2015, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.