超高齢者の消化器疾患-その特徴と治療上の注意
超高齢者における肝臓疾患の特徴と治療
木下 晃吉
1
,
小野田 泰
,
伏谷 直
,
小池 和彦
,
西野 博一
,
田尻 久雄
1東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器・肝臓内科
キーワード:
肝硬変
,
肝細胞癌
,
肝性脳症
,
食道胃静脈瘤
,
生存率
,
腹水症
Keyword:
Ascites
,
Esophageal and Gastric Varices
,
Hepatic Encephalopathy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Liver Cirrhosis
,
Survival Rate
pp.467-473
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015186588
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世界有数の長寿国であるわが国では,超高齢肝疾患患者を診療する機会が著しく増加している.高齢者では,若年者と比べ肝代謝能,再生能,免疫能が低下する.超高齢者の肝硬変,肝細胞癌の大部分がC型肝炎由来で,NASH由来の肝硬変,肝細胞癌患者が今後増加すると推測される.若年者と同様に,非代償期肝硬変の合併症に対する治療と,肝細胞癌のスクリーニングが診療の中心となる.肝細胞癌の治療に関しては,肝切除,経皮的ラジオ波焼灼術,経カテーテル肝動脈化学塞栓術などの治療手技や,ソラフェニブなどの分子標的治療薬の進歩により,最近では,超高齢者であっても,安全に遂行可能で,生存率も非超高齢者と差異がないとする報告が多い.
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