超高齢者の消化器疾患-その特徴と治療上の注意
超高齢者に対する内視鏡検査上の注意点
荒川 廣志
1
,
小山 誠太
,
安達 世
,
月永 真太郎
,
梶原 幹生
,
内山 幹
,
小井戸 薫雄
,
大草 敏史
,
田尻 久雄
,
鈴木 博昭
1東京慈恵会医科大学附属柏病院 内視鏡部
キーワード:
気道疾患
,
大腸内視鏡法
,
心臓血管疾患
,
抗血栓剤
,
禁忌(治療)
,
意識下鎮静法
Keyword:
Cardiovascular Diseases
,
Colonoscopy
,
Fibrinolytic Agents
,
Respiratory Tract Diseases
,
Conscious Sedation
pp.413-419
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015186581
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超高齢者は主要臓器の機能や予備能が低下し複数の基礎疾患をもつ.内視鏡検査にとって高齢はリスクであり,大腸前処置や意識下鎮静法(CS)を行う場合も加齢のリスク評価と対策が必要である.大腸前処置は死亡例が報告されており,処置前に消化管閉塞の有無を必ず確認する.CSによる循環器系への抑制作用は比較的軽度だが,呼吸器系への抑制作用により上気道閉塞,低酸素血症,誤嚥,呼吸停止をきたす可能性があり,呼吸器系基礎疾患を有する場合は避けたほうがよい.鎮静薬投与時は健常成人より投与量を減量し,鎮静効果判定は投与3~5分後に行う.適切なモニタリングを行い,検査後60分程度リカバリーベッドで休息した後,家人が付き添い帰宅させるようにする.
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