超高齢者の消化器疾患-その特徴と治療上の注意
超高齢者における上部消化器疾患の特徴と治療
大野 亜希子
1
,
徳永 健吾
,
新井 健介
,
畑 英行
,
土岐 真朗
,
高橋 信一
1杏林大学 医学部第三内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃食道逆流
,
抗細菌剤
,
消化管出血
,
消化器疾患
,
消化性潰瘍
,
食道腫瘍
,
生存率
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
放射線療法
,
内視鏡的止血
,
治療成績
,
Proton Pump Inhibitors
,
除菌療法
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Anti-Bacterial Agents
,
Esophageal Neoplasms
,
Gastroesophageal Reflux
,
Digestive System Diseases
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Peptic Ulcer
,
Radiotherapy
,
Survival Rate
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Hemostasis, Endoscopic
,
Treatment Outcome
,
Proton Pump Inhibitors
pp.421-427
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015186582
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高齢化社会が進み超高齢者の診療にあたる機会も増えているが,いずれの上部消化器疾患のガイドラインにおいても,年齢で区切られた明確な記載はなく,とくに個体差の大きい超高齢者ではその全身状態や基礎疾患に応じた治療を考える必要がある.H.pylori除菌療法により,胃十二指腸潰瘍や胃癌の発症を予防することが期待できる一方で,酸分泌能上昇によるGERDや食道腺癌,またNSAIDsの使用増加に伴いH.pylori非関連性消化性潰瘍の増加が今後懸念される.また食道癌治療においては,負担を十分に考慮し慎重な非外科的治療を選択することによって,患者の希望にある程度沿うことが可能となると思われる.超高齢者の上部消化器疾患に対して治療選択を行う際は,人間としての尊厳や患者の権利を考え十分な情報提供を行ったうえで,患者の最善の利益を考慮する必要がある.
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