機能性消化管疾患-病態の解明と新たな治療
機能性消化管疾患と発症機序 機能性消化管疾患と心理社会的因子
阿部 哲也
1
,
福永 幹彦
1関西医科大学 心療内科学講座
キーワード:
胃腸運動
,
胃腸疾患
,
向精神剤
,
児童虐待
,
心身症
,
心理的ストレス
,
精神療法
,
不安
,
抑うつ
,
受療行動
Keyword:
Anxiety
,
Child Abuse
,
Depression
,
Gastrointestinal Diseases
,
Gastrointestinal Motility
,
Patient Acceptance of Health Care
,
Psychotropic Drugs
,
Psychophysiologic Disorders
,
Psychotherapy
,
Stress, Psychological
pp.189-192
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015140026
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機能性消化管疾患は,他の器質性消化管疾患と同程度の消化管症状による苦痛がありながら,強い不安や抑うつを伴う疾患である.心理社会的な苦悩は消化管症状よりも強いことが多く,またそれらは急性胃腸炎後の機能性消化管疾患発症誘因となったり,症状重篤度や予後の予測因子になったりするほど,疾患との密接な関連を示している.身体的にも,心理的ストレスが消化管粘膜の肥満細胞や腸内細菌に作用して,胃適応性弛緩不全や消化管伸展刺激時の知覚過敏を引き起こすメカニズムが解明されており,治療を考える際にも心理社会的因子の考慮は有用である.
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