機能性消化管疾患-病態の解明と新たな治療
機能性消化管疾患の位置づけ
屋嘉比 康治
1
1埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科
キーワード:
Corticotropin-Releasing Hormone
,
胃腸疾患
,
心身症
,
鑑別診断
,
ストレス
,
腸
,
脳
,
発生率
Keyword:
Brain
,
Diagnosis, Differential
,
Corticotropin-Releasing Hormone
,
Gastrointestinal Diseases
,
Intestines
,
Psychophysiologic Disorders
,
Incidence
pp.147-152
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015140021
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本稿においては消化器疾患における機能性消化管疾患(FGID)の位置づけについて述べてみた.消化器疾患におけるその位置づけとして(1)FGIDは国民に広く認められる(FDやIBSは国民の10~20%)もっとも一般的な疾患であること,(2)FGIDそのものは良性疾患でも常に悪性疾患の可能性が潜んでいることを銘記して診療に当たること,すなわち警告症状のある症例などは内視鏡検査や超音波検査,必要であればCT検査もためらわずに行う,(3)FGIDの病態には典型的な心身症的発症機序が関与しており消化器内科医も心理社会的因子に配慮することが必要であること,さらに(4)FGIDの病態を理解するためには脳腸相関を介する生理学的調節機序の理解が重要であることを述べた.
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