肥満と消化器疾患
肥満と糖尿病、急性膵炎・慢性膵炎・膵癌との関連性
廣田 衛久
1
,
下瀬川 徹
1東北大学 消化器内科
キーワード:
Cytokines
,
インスリン抵抗性
,
危険因子
,
膵炎
,
膵臓腫瘍
,
糖尿病
,
肥満
,
膵炎-慢性
,
Adiponectin
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Insulin Resistance
,
Obesity
,
Pancreatitis
,
Pancreatic Neoplasms
,
Risk Factors
,
Cytokines
,
Pancreatitis, Chronic
,
Adiponectin
pp.1607-1612
発行日 2013年10月20日
Published Date 2013/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014025311
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肥満と膵疾患の関連が明らかにされつつある.急性膵炎は発症と重症化のリスクがBMI30kg/m2以上の肥満者では上昇することを示す多くの報告がある.肥満者では,非肥満者に比べ炎症が高度となることが重症化機序と考えられる.慢性膵炎はこれまで肥満との関連が考慮されてこなかった.しかし最近,発症前のBMIが25kg/m2以上の過体重者および肥満者ではアルコール性慢性膵炎の発症リスクが上昇すると指摘された.肥満は膵癌発症のリスク因子とされる.機序として,肥満により形成される慢性炎症の環境が発癌を促進し,インスリン抵抗性が癌進展に関与するシグナルを活性化するとともに癌細胞特有の代謝経路に重要であることなどが示唆されている.
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