肝硬変-診断と治療の進歩
肝硬変治療の進歩 肝硬変に伴う血球減少症の治療
会澤 信弘
1
,
西口 修平
1兵庫医科大学 肝胆膵科
キーワード:
Interferons
,
肝炎-C型
,
肝硬変
,
血小板計数
,
血小板減少症
,
多剤併用療法
,
脾臓摘出術
,
脾動脈
,
治療成績
,
術後感染症
,
Eltrombopag
,
脾動脈塞栓術
Keyword:
Drug Therapy, Combination
,
Hepatitis C
,
Interferons
,
Liver Cirrhosis
,
Platelet Count
,
Splenic Artery
,
Thrombocytopenia
,
Splenectomy
,
Treatment Outcome
,
Eltrombopag
pp.473-478
発行日 2014年3月20日
Published Date 2014/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014161252
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慢性肝疾患では肝線維化が進展してくると脾機能亢進症により血球減少を認める.血小板減少はラジオ波焼灼治療などの侵襲的処置を行う際に問題となることがある.また,C型肝硬変では血小板数が低値であるためにインターフェロン(IFN)治療の導入や継続が困難となる.血小板低値に対して脾臓摘出術や部分的脾動脈塞栓術が行われている.これらの処置により血小板は増加するが,侵襲的処置であり合併症の問題がある.また,C型肝硬変の場合処置により血小板数が改善しても,genotype 1b高ウイルス量症例ではIFNの奏効率は低い.ほかの血小板減少に対する治療としてエルトロンボパグの有効性が報告されている.しかし,門脈血栓症のリスクが増加するため注意が必要である.今後エルトロンボパグの肝硬変に対する適応が期待されている.また,C型肝疾患では,IFNに比べ副作用が少なく治療効果の高いDAAs(direct acting anti-virals)多剤併用療法が期待される.
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