肝硬変-診断と治療の進歩
肝硬変治療の進歩 浮腫・腹水の治療
柳瀬 幹雄
1
,
野崎 雄一
,
三神 信太郎
,
正木 尚彦
1国立国際医療研究センター病院 消化器内科
キーワード:
Sodium
,
肝硬変
,
浮腫
,
体重変化
,
腹水症
,
第III相試験
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
Tolvaptan
,
アメリカ
,
ヨーロッパ
,
長期投与
,
Vasopressin V2 Receptor
Keyword:
Ascites
,
Body Weight Changes
,
Edema
,
Europe
,
Liver Cirrhosis
,
United States
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Clinical Trials, Phase III as Topic
,
Receptors, Vasopressin
,
Treatment Outcome
,
Tolvaptan
,
Sodium
pp.435-440
発行日 2014年3月20日
Published Date 2014/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014161246
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肝硬変患者の難治性の腹水・浮腫に対し,わが国においてアルギニンバソプレシン(AVP)阻害による水利尿により体液貯留の改善をはかる経口AVP V2受容体拮抗薬トルバプタンが新しく保険適応となった.第3相多施設ランダム化試験において既知利尿薬併用下のトルバプタン7.5mg/day群はプラセボ群に比し,有意な体重変化,腹水量減少,下腿浮腫改善,腹水に伴う臨床症状の改善を認めた.注意点として,投与後の急峻な血清ナトリウム値の上昇による中枢神経障害,あるいは肝障害があり,開始時は入院下での慎重な観察を要する.AVP V2受容体拮抗薬の肝硬変患者に対する長期投与の有効性は定まっていない.同薬剤の有効性の選別に寄与するマーカーの開発が期待される.
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