大腸内視鏡のリスクマネジメント
ポリペクトミー、EMR、ESDにおけるリスクマネジメント
樫田 博史
1
,
米田 頼晃
,
櫻井 俊治
,
朝隈 豊
,
峯 宏昌
,
足立 哲平
1近畿大学 医学部消化器内科
キーワード:
大腸内視鏡法
,
大腸ポリープ
,
術後合併症
,
術中合併症
,
抗血栓剤
,
腸穿孔
,
入院
,
Fournier壊疽
,
医療事故防止
,
内視鏡的止血
,
失血-外科
,
出血-術後
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
外科用固定用品
,
外来診療
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Ambulatory Care
,
Colonic Polyps
,
Colonoscopy
,
Fibrinolytic Agents
,
Hospitalization
,
Intraoperative Complications
,
Intestinal Perforation
,
Postoperative Complications
,
Blood Loss, Surgical
,
Hemostasis, Endoscopic
,
Fournier Gangrene
,
Postoperative Hemorrhage
,
Surgical Fixation Devices
pp.1609-1618
発行日 2016年10月20日
Published Date 2016/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017059982
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大腸腫瘍の内視鏡治療における代表的な偶発症は,出血と穿孔であり,それぞれ術中と術後に区別される.後出血は,顕性血便,2g/dl以上のヘモグロビン低下,輸血や止血処置を要したものと定義される.抗血栓薬の扱いは基本的にガイドラインに従う.術中出血予防には高周波装置の適切な設定が必要である.有茎性ポリープにおいて,留置スネアは術中出血・後出血の予防になる.EMRでは筋層を巻き込むと,ESDでは筋層の方向に通電してしまうと術中穿孔をきたす.下部直腸,上行・下行結腸背面など漿膜のない部位では,筋層を貫通した時点で即,穿孔である.小さい病変では,コールドポリペクトミーのほうが,後出血や穿孔のリスクが低い.EMRやESD後のクリップによる創閉鎖は,大型病変や抗血栓療法下以外では後出血予防効果は期待できないが,遅発性穿孔予防には有効であると思われる.
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