膵癌診療最前線 新たな抗癌薬により長期生存を目指す
膵癌の疫学 膵癌の疫学と危険因子
中嶋 文香
1
,
清水 京子
,
白鳥 敬子
1東京女子医科大学 消化器内科
キーワード:
危険因子
,
喫煙
,
死亡率
,
膵炎
,
膵臓腫瘍
,
性因子
,
ライフスタイル
,
糖尿病
,
年齢因子
Keyword:
Age Factors
,
Diabetes Mellitus
,
Life Style
,
Mortality
,
Pancreatic Neoplasms
,
Pancreatitis
,
Risk Factors
,
Sex Factors
,
Smoking
pp.640-647
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008338446
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膵癌は、その他の癌と比較し、発見時すでに根治手術ができない症例が多く、きわめて予後不良である。本邦における2006年の膵癌死亡率は男性20.4、女性16.8と微増傾向を認め、70歳以上の高齢者、男性にやや多い傾向にある。リスクファクターとしては、(1)膵癌の家族歴、(2)糖尿病や慢性膵炎、遺伝性膵炎の合併疾患、(3)喫煙、があげられ、そのほか高脂肪食、アルコール、コーヒーの多量摂取なども関与している可能性がある。今後、膵癌の予後を少しでも改善させる手段としては、リスクファクターを複数有する患者には膵癌を疑い、積極的に検査を行うことが有用である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008