下部直腸・肛門部疾患の診断と治療
肛門周囲Bowen病
稲次 直樹
1
,
吉川 周作
,
横尾 貴史
,
植田 剛
,
中島 祥介
,
榎本 泰典
1奈良大腸肛門病センター
キーワード:
Bowen病
,
Fluorouracil
,
肛門腫瘍
,
焼灼法
,
直腸鏡法
,
軟膏剤
,
皮膚腫瘍
,
扁平上皮癌
,
Imiquimod
,
直腸切除
,
狭帯域光観察
Keyword:
Anus Neoplasms
,
Bowen's Disease
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Cautery
,
Fluorouracil
,
Proctoscopy
,
Ointments
,
Skin Neoplasms
,
Narrow Band Imaging
,
Imiquimod
pp.1523-1527
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013377640
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Bowen病はケラチノサイト由来の扁平上皮癌の一型で表皮内癌である.成因についてはHPV16と18の感染によると考えられており,病理学的にはhigh-grade anal intraephitherial neoplasia(AIN)のみがBowen病であると考えられている.50歳以上の高齢者に多くみられ,肛門周囲への発生はきわめてまれである.おもな症状は肛門周囲の湿潤感・そう痒感・違和感・灼熱感,肛門部腫瘤触知,排便時出血などであるが無症状のことも多く,慢性湿疹様像を呈することが多い.本症を疑えば生検を行う.病理組織像の特徴は異型細胞が上皮全層にわたって密に増殖し,表皮が肥厚し多核細胞(clumping cell)や異常角化細胞(dyskeratotic cell)がみられる.治療には軟膏などの局所療法,焼灼法,放射線照射療法,凍結療法などがあるがもっとも根治性が高いのは外科的治療である.
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