発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003072303
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50歳男.右鼠径部の腫瘤を自覚し,針生検を施行した.低分化扁平上皮癌,又は移行上皮癌のリンパ節転移が疑われたが,原発巣を確定できず,入院となった.画像所見などから,鼠径リンパ節転移を伴った肛門管類基底細胞癌,stage 3bと診断し,化学放射線療法を開始した.副作用は放射線性皮膚炎以外に重篤なものはなかった.腫瘍の大きさは治療終了後2ヵ月経過してもほぼ変化はなかった.腫瘍の遺残を疑い,救済手術として腹会陰式直腸切断術(APR)及び右鼠径部リンパ節郭清を施行した.切除標本は肛門部,鼠径部とも病理組織学的検索により腫瘍部は線維化を伴って,変性壊死し,全割にても残存腫瘍細胞は認めなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2002