下部直腸・肛門部疾患の診断と治療
肛門部Paget病
利根川 守
1
1東京逓信病院 形成外科
キーワード:
Paget病-乳房外
,
肛門腫瘍
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
直腸切除
Keyword:
Anus Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Paget Disease, Extramammary
,
Skin Neoplasms
pp.1529-1532
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013377641
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肛門部に生じたPaget病は,皮膚原発の乳房外Paget病と直腸肛門管癌が肛囲に波及したPaget現象とに大別される.両者は酷似した臨床像,病理組織像を呈するが,治療法および予後は著しく異なるので鑑別が重要である.その鑑別診断には術前の直腸肛門管内の内視鏡などによる病変の精査と切除標本の免疫組織化学染色,とくにCK7,CK20,GCDFP15による鑑別が有用である.呈示した症例は76歳,男性.肛囲?痒感とびらんを主訴に初診した.術前の胸腹骨盤内造影CT,大腸内視鏡,骨盤内造影MRI,PET検査にて直腸肛門管内に明らかな病変は認めなかったが,摘出標本の特殊染色でCK7(-),CK20(+)であり,直腸肛門管原発の腺癌からのPaget現象と診断した.
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