肝移植-現状と展望
生体肝移植 わが国における現状と展望
石崎 陽一
1
,
川崎 誠治
1順天堂大学 医学部肝胆膵外科
キーワード:
肝硬変
,
肝細胞癌
,
肝臓移植
,
治療成績
,
リビングドナー
,
評価基準
Keyword:
Carcinoma, Hepatocellular
,
Liver Cirrhosis
,
Liver Transplantation
,
Treatment Outcome
,
Living Donors
pp.1241-1248
発行日 2013年7月20日
Published Date 2013/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013319987
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2010年の改正臓器移植法施行により脳死肝移植が増加したものの,肝移植の大半を生体ドナーに頼らざるをえない状況はあまり変わっていない.現在,肝移植の約70%は成人例であり,最近は肝細胞癌を合併した症例が増加している.肝細胞癌に対する移植適応の基本はミラノ基準であることには変わりないが,各施設より拡大基準が提唱され,良好な成績が報告されている.用いられるグラフトはこれまで右葉グラフトが主流であったが,ドナーの安全性を考慮して最近は左葉グラフトを見直す傾向がある.生体肝移植の成績は脳死肝移植と遜色がないが,高齢ドナーからのHCV肝硬変に対する移植,成人例のABO不適合症例に対する移植の成績は不良であり注意を要する.
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