栄養代謝制御における消化管生理活性ペプチドの役割
グレリンの胃酸分泌増加作用
櫻田 智也
1
,
屋嘉比 康治
1埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科
キーワード:
Gastrins
,
Histamine
,
胃酸
,
胃粘膜
,
Ghrelin
,
Des-N-Octanoyl Ghrelin
Keyword:
Gastric Acid
,
Gastrins
,
Gastric Mucosa
,
Histamine
,
Ghrelin
,
Ghrelin, Des-n-octanoyl
pp.667-673
発行日 2013年5月20日
Published Date 2013/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013272235
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成長ホルモン(GH)放出ペプチドであるグレリンは,食欲促進ホルモンとしてよく知られているが,これまでに,本ペプチドが胃酸分泌に対して刺激作用をもつことが明らかにされている.グレリンには,活性型グレリン(アシルグレリン)と不活性型グレリン(デスアシルグレリン)の,二つの主要な分子形態が存在する.最近の研究では,これらの2形態が異なる役割を果たしていることが示唆されている.しかしながら,グレリンの二つの形態のうちデスアシルグレリンのin vivoにおける作用と役割については,十分に解明されていない.本稿では,デスアシルグレリンとアシルグレリンの胃酸分泌への影響について,筆者らの研究を中心にこれまで報告された研究からグレリンの作用について考察した.アシルグレリンは酸分泌を増加させるが,その機序はヒスタミン分泌を増加させることによる.デスアシルグレリンは胃酸分泌には影響しない.アシルグレリンは空腹期の胃酸分泌に関与していると思われる.
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