認知症と透析医療
認知症透析患者に対する薬物療法
堀川 直史
1
1埼玉医科大学かわごえクリニック メンタルヘルス科
キーワード:
Cholinesterase Inhibitors
,
抗精神病剤
,
血液透析
,
向精神剤
,
腎不全-慢性
,
認知症
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
抑肝散
Keyword:
Dementia
,
Cholinesterase Inhibitors
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Psychotropic Drugs
,
Antipsychotic Agents
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
Yi-Gan San
pp.1045-1052
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016391719
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認知症透析患者の治療とマネジメントは重要な問題の一つである.非薬物療法と社会的支援が重要だが,薬物療法も行われる.認知症の中核症状に対して用いられる薬物はコリンエステラーゼ阻害薬である.周辺症状のうち,焦燥・不穏に対する第一選択薬もコリンエステラーゼ阻害薬であり,症状が改善しないときには一時的に第二世代抗精神病薬を併用する.抑肝散を使用することもできる.第二世代抗精神病薬を使用する際には,とくに糖尿病の悪化とQT延長に注意すべきである.認知症透析患者に原則として使用を避けるべき薬物は,認知症治療薬のリバスチグミンとメマンチン,第一世代抗精神病薬,三環系抗うつ薬,ベンゾジアゼピン系の抗不安薬と睡眠薬,そして腎排泄性の薬物である.
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