透析患者の食事-料理アレンジと市販品活用の工夫
通院血液透析患者における「外食」および「中食」の実態 多施設共同研究
加藤 明彦
1
,
齋藤 かしこ
,
市川 和子
,
西 慎一
,
伊丹 儀友
,
原田 孝司
,
鈴木 正司
,
大平 整爾
1浜松医科大学医学部附属病院 血液浄化療法部
キーワード:
質問紙法
,
外来患者
,
血液透析
,
食生活
,
腎不全-慢性
,
多施設共同研究
,
年齢因子
,
冷凍食品
,
ひとり暮らし
,
ファーストフード
Keyword:
Age Factors
,
Frozen Foods
,
Feeding Behavior
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Outpatients
,
Surveys and Questionnaires
,
Multicenter Studies as Topic
,
Fast Foods
pp.1633-1642
発行日 2015年12月10日
Published Date 2015/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016087860
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近年,日本人の生活スタイルが変わり,多くの家庭が「外食」や調理済みの「中食」を利用している.血液透析患者は高齢者が多く,一人暮らしや夫婦で生活している場合が少なくないが,外食や中食の利用状況は十分に把握されていない.そこで,全国7施設の通院血液透析患者217名(年齢:64±12歳,男性/女性=138/79名,透析歴:10±9年)を対象に,外食および中食の利用状況についてアンケート調査を行った.通院患者の36.9~66.4%は弁当,惣菜,冷凍食品,レトルト/パウチパック食品などの中食を利用しており,惣菜が66.4%ともっとも高かった.また,65歳未満では,冷凍食品やレトルト食品の利用率が高かった.一方,家族構成と中食の利用率は関連しなかった.今回の調査では,外食の利用者は少なく,昼食でも20.7%であった.食事は,朝食はパン類,昼食は麺類が中心であり,麺類は弁当や冷凍食品で購入していた.一方,夕食はご飯+魚または肉料理が中心であり,刺身やフライ・コロッケなどの惣菜を利用していた.以上より,約半数の透析患者では中食を利用していた.しかし,食塩摂取量が明らかに多いなど,栄養のバランスは必ずしも良好でなかった.今後は,中食の回数を減らす,宅配透析食を利用するなどを指導し,食事を適正化する必要があると思われた.
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