研究
血液透析患者における慢性疲労に対するレボカルニチン塩化物の疲労スケールへの臨床効果とカルニチン分画への影響
佐中 孜
1
,
冬野 誠也
,
稲永 隆
,
菅沼 信也
,
佐方 克史
,
内藤 隆
1仁生社江戸川病院
キーワード:
Carnitine
,
質問紙法
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
疲労
,
臨床試験
,
多施設共同研究
,
治療成績
,
Levocarnitine
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Carnitine
,
Carnitine
,
Multicenter Studies as Topic
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Treatment Outcome
,
Fatigue
pp.357-362
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2019197057
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血液透析患者29例(男性16名、女性13名、平均71.4±8.9歳)を対象に、塩化レボカルニチン(エルカルチン)が慢性疲労に及ぼす効果について検討した。レボカルニチン塩化物を300mg含有するエルカルチン錠を1日3錠剤服用してもらい、慢性疲労症候群の診断において応用される64項目の問診票に準拠した調査票を使用した。総疲労スコアはエルカルチン服用開始前、服用8週目、24週目それぞれ93.59±49.68、81.45±47.40、75.86±43.98と算定された。エルカルチンを服用すると総疲労スコア60以下の患者は服用8週目、服用24週目でそれぞれ11名、12名に増加した。血清総カルニチン濃度は服用開始前が40.3±11.8μmol/Lに対して、服用8週目、24週目それぞれ168.3±75.6μmol/L、203.9±99.7μmol/Lと増加した。また、血清アシルカルニチン濃度は服用8週目で軽度ながらも有意に減少し、服用24週目は服用8週目と比較してむしろ高値となっていた。血清アシルカルニチン濃度/遊離カルニチン濃度比に変化はみられなかった。
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