老年医学からみた透析医療
非透析支持療法の実際
原田 孝司
1
,
江藤 りか
,
丸山 裕子
,
船越 哲
1衆和会長崎腎病院
キーワード:
意思決定
,
緩和ケア
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
ターミナルケア
,
患者の権利擁護
,
患者による事前指示
Keyword:
Decision Making
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Patient Advocacy
,
Palliative Care
,
Terminal Care
,
Advance Directives
pp.1277-1284
発行日 2015年9月10日
Published Date 2015/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015400657
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高齢透析患者の終末期医療において,患者をどのように看取るかが重要な課題となってきている.透析の非導入および中止の現状とその課題について報告した.日本透析医学会は2014年に「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」を発表したが,当院では2008年から患者および家族から事前指示書を取得しており,2014年度は入院死亡患者の95%から事前指示書を取得し看取りを行った.その結果,人工呼吸器装着が減少し,維持透析の中止の症例が増加した.中止から死亡までの期間は平均8.3日であった.患者の意思を尊重した緩和ケアを医療チームとして提供する必要があり,家族に対しては看取り時および看取り後も精神的および社会的な支援を行う必要がある.
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