老年医学からみた透析医療
高齢透析患者の透析処方 血液透析
鈴木 一之
1
1かわせみクリニック
キーワード:
血液循環
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
透析液
,
尿素
,
診療ガイドライン
,
血液透析膜
Keyword:
Blood Circulation
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Dialysis Solutions
,
Practice Guidelines as Topic
,
Urea
pp.1285-1291
発行日 2015年9月10日
Published Date 2015/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015400658
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日本の透析患者は,平均年齢が65歳を超え,高齢化が進んでいる.高齢透析患者には,体格が小さく,栄養障害の危険性のある患者の割合が多い.透析処方は,透析時間が短い患者,血流量が少ない患者など,治療条件が低い患者の割合が多いが,尿素シングルプールKt/V(spKt/V)は平均1.4程度であった.高齢者の透析処方は,透析時間は4時間,血液流量180mL/min,ダイアライザ膜面積1.2m2を最低限の条件とし,「維持血液透析ガイドライン:血液透析処方」で推奨する尿素spKt/V1.4以上を達成すべきと考えられる.体格の小さな高齢者では,大きなspKt/Vが得られやすいが,治療条件を落とすのではなく,しっかり食べることを通して栄養状態の改善に役立てるのがよい.必要な場合,栄養サポートも行うことが望ましい.
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