老年医学からみた透析医療
高齢末期腎不全患者に対する透析療法導入の適否並びに透析開始後の継続中止の問題点
大平 整爾
1
1札幌北クリニック
キーワード:
加齢
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
生活の質
,
日常生活活動
,
平均余命
,
患者の権利擁護
Keyword:
Aging
,
Activities of Daily Living
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Life Expectancy
,
Patient Advocacy
,
Quality of Life
pp.1269-1276
発行日 2015年9月10日
Published Date 2015/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015400656
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近年,腎不全のために透析に導入される患者の70%弱が,65歳以上の高齢者で占められてきている.高齢者は腎不全以外にも合併障害をもつことが多く,透析への導入については,透析の開始が対象患者の残腎機能の推移とADL,QOLにどのような変化をもたらすかが医療側と患者側とで慎重に検討されなければならない.心肺機能などに重度の障害が存在する場合には,当該患者が透析療法から優れた効用を得られる可能性は低い.透析非開始が決断された後には,当然ながら,十分な保存療法が即時に開始されなければならない.透析がいったん開始された後であっても患者の負担が受益を上回れば,継続の中止を検討せざるをえない病態が生ずることを熟知したい.
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