発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014224450
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症例は74歳女で、16年前に急性大動脈解離で上行大動脈置換術を施行されたが、右腎梗塞を来たして慢性腎不全が徐々に進行した。心不全のため左上肢に内シャントを造設して血液透析開始となったが、重症大動脈弁狭窄症、冠動脈三枝病変、近位弓部大動脈瘤を指摘された。これらに対して大動脈弁置換術、冠動脈バイパス術、部分弓部置換術を施行し、術後経過良好であったが、2週間後頃より左上腕の腫脹が出現し次第に範囲が拡大した。シャント静脈高血圧症を疑い、CT angiographyを施行したところ、手術時に留置されたフェルトが壁外性に左腕頭静脈を圧排し狭窄していた。血管造影で起始部の狭窄部位を確認し、バルーンカテーテルで拡張手技を行った。血流は改善して左上肢の腫脹は速やかに改善し、2ヵ月後に再狭窄を認めたが同様の経皮的血管形成術を施行し、以後腫脹の再燃はない。
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