透析スタッフに必要な腎移植医療の知識2013
腎移植後の生活習慣病
中村 道郎
1
,
角田 隆俊
1東海大学 医学部外科学系移植外科学
キーワード:
患者管理
,
危険因子
,
脂質異常症
,
骨疾患-代謝性
,
術後合併症
,
腎臓移植
,
心臓血管疾患
,
動脈硬化症
,
メタボリックシンドローム
,
生活習慣病
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Bone Diseases, Metabolic
,
Cardiovascular Diseases
,
Patient Care
,
Postoperative Complications
,
Risk Factors
,
Kidney Transplantation
,
Metabolic Syndrome X
,
Dyslipidemias
pp.1351-1358
発行日 2013年8月10日
Published Date 2013/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013333174
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腎移植患者においても,生活習慣病のさまざまな要因と密接に関連しているメタボリック症候群は,大きな問題となっている.腎移植後に合併するメタボリック症候群は,移植腎機能の悪化や,心血管病を引き起こす可能性がある.腎移植後,生活の質の改善がみられるが,投与されるステロイド剤によって,内臓脂肪が蓄積しやすくなる.さらにカルシニューリン阻害薬はステロイド剤とともに,メタボリック症候群のその他の要因,すなわち高血圧,脂質代謝異常,耐糖能異常などに悪影響を与える.メタボリック症候群を防ぐ目的で,最近はステロイド剤を減量・中止するレジメンが行われている.腎移植患者の,薬物療法を含めた管理や治療方針については,2011年に日本臨床腎移植学会が提案した『腎移植後内科・小児科系合併症の診療ガイドライン』に詳述されている.
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