脳血管障害最前線 Time is brainの時代を迎えて
トピックス メタボリックシンドロームと脳血管障害
小松 愛子
1
,
野出 孝一
1佐賀大学 循環器・腎臓内科
キーワード:
危険因子
,
血管内皮
,
高血圧
,
脂質異常症
,
心筋梗塞
,
糖尿病
,
動脈硬化症
,
脳血管障害
,
血管平滑筋
,
耐糖能障害
,
メタボリックシンドローム
,
Adipokines
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Diabetes Mellitus
,
Cerebrovascular Disorders
,
Endothelium, Vascular
,
Hypertension
,
Myocardial Infarction
,
Muscle, Smooth, Vascular
,
Risk Factors
,
Glucose Intolerance
,
Metabolic Syndrome
,
Dyslipidemias
,
Adipokines
pp.938-942
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008196540
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メタボリックシンドロームは、脂肪細胞が分泌するさまざまなサイトカインの調節障害を生じ、インスリン抵抗性が惹起され、耐糖能異常や脂質異常、高血圧を引き起こし、動脈硬化につながる。インスリン抵抗性は、血管壁局所でのレニン・アンジオテンシン系を活性化し、血管内皮傷害や血管平滑筋の増殖や肥大を促進し、直接的に血管炎症を引き起こす作用ももつ。米国のFramingham研究では、メタボリックシンドロームは糖尿病の前段階のシグナルと位置付けられ、脳卒中や心筋梗塞などの大血管疾患が緊急に大発生する可能性に警鐘が鳴らされている。メタボリックシンドロームが糖尿病にいたる前に、抗動脈硬化を目的としたより積極的な予防と治療が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008