透析スタッフに必要な腎移植医療の知識2013
腎移植と感染症
原田 浩
1
1札幌市立札幌病院 腎移植外科
キーワード:
サイトメガロウイルス感染症
,
細菌感染症
,
真菌症
,
腎臓移植
,
帯状疱疹
,
免疫抑制剤
,
Epstein-Barrウイルス感染症
,
術後感染症
,
ポリオーマウイルス感染症
Keyword:
Cytomegalovirus Infections
,
Bacterial Infections
,
Herpes Zoster
,
Immunosuppressive Agents
,
Mycoses
,
Kidney Transplantation
,
Epstein-Barr Virus Infections
,
Polyomavirus Infections
pp.1343-1350
発行日 2013年8月10日
Published Date 2013/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013333173
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腎移植後は免疫抑制薬により,種々の外来微生物の感染が成立しやすい.既感染微生物による日和見感染も特徴の一つである.背景疾患や手術侵襲も考慮する必要がある.起因微生物として,一般的なもの以外に肺炎球菌,ニューモシスチス・イロベチーは有名である.さらにウイルスではヘルペスウイルス科のサイトメガロウイルスは臓器障害を引き起こし,水痘・帯状疱疹ウイルスは重症例では脳炎から致死的となる.エプスタイン・バーウイルスは移植後リンパ球増殖症を引き起こす.また腎症により移植腎機能に影響を与えるBKウイルスにも留意する必要がある.移植後の感染症の発症の抑制には,可能ならワクチン接種や適正な免疫抑制薬の調整が鍵を握る.
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