透析患者の栄養障害とNSTの可能性
今後の課題とNSTに期待するもの
加藤 明彦
1
1浜松医科大学医学部附属病院 血液浄化療法部
キーワード:
栄養評価
,
看護師
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
チーム医療
,
栄養補助
,
中心静脈栄養
,
栄養士
Keyword:
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Patient Care Team
,
Parenteral Nutrition, Total
,
Nurses
,
Nutrition Assessment
,
Nutritional Support
,
Nutritionists
pp.1271-1278
発行日 2013年7月10日
Published Date 2013/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013319032
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スタッフ数の限られる透析施設において,NST(nutrition support team)活動で看護師の果たす役割は大きく,すべての患者から栄養リスクのある患者を抽出することが求められる.スクリーニング法として高齢者栄養リスク指標(GNRI)が有用だが,GNRIはエネルギーやたんぱく質摂取量と相関しないため,抽出された患者は食事摂取量について評価する必要がある.管理栄養士は喫食状況および病態に応じて,経腸栄養剤を処方する.もし栄養相談や経口摂取がうまくいかない場合には,薬剤師は透析中高カロリー輸液(IDPN)を提案する.臨床工学技士は,栄養障害患者に対する適切な透析量,ダイアライザ,透析液について提案する.こうした多職種の介入により,栄養リスクのある透析患者を早期発見し,protein-energy wastingの予防が可能となる.今後は,透析患者に対するNST活動のエビデンスが確立されることを期待したい.
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